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がんばれ、ビジネスパーソン

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ビジネスパーソンは大変だ。成長し続けないといけない。
つねに新しい知識やスキルを身につけることが求められている。
空いた時間があればトレンド情報をチェックする。
スキルを身につけるにも効率性が求められる。

でも、手に入れた知識やスキルはすぐに色褪せていく。
次から次へと新しいものが出てくるからだ。
立ち止まってしまうと、どこからともなく不安が押し寄せる。

未来を見据え何かを追いかけつつ、目の前のことに集中する。
自分のパフォーマンスを上げるべく、日々、頑張る。
うまく行くこともあれば、うまくいかないこともある。
楽しい時もあれば、つらい時もある。

そのように頑張り、その日その日を乗り切ることができれば、今日の自分に少し安心できる。

とはいえ、ビジネスというフィールドで、前向きに頑張り、なんとか満足がいく日々を過ごせるのは、世界や社会という私たちを取り巻く環境が安定しているからだ。

ビジネスに限らず、何かに集中し、高いパフォーマンスを発揮するには、環境が整っていないといけない。
個としてのスペックを高めるだけでなく、パフォーマンスが発揮できる環境を整える必要がある。

たとえば、フィールドを区切るラインが見えず、片方のゴールがなく、芝生はでこぼこ、鉄屑やガラス破片が散らばり、ルールも曖昧な審判のもとで、サッカーをするとしたどうだろう。
プレーヤーのスペックがどれほど高くても、そのような環境では人々を魅了するようなプレーはできない。

戦争、自然災害、社会不安。
そういうビジネス外の環境が、ビジネスに集中して、パフォーマンスを発揮することを邪魔する。
やっかいなことに、ビジネスを取り巻く環境に少しずつほころびが生じ始めている。

日本から遠く離れたところで数年前に始まった戦争が、エネルギーや食糧の価格を押し上げる。
コロナや異常気象による災害が、相対的な弱者により大きな負担となる(相対的な弱者というのは、日々働くことで生活を成り立たせている人たちのことだ)。
物価高で生活に皺寄せがきて、インバウンドの外国人が目の前で高価なものを食べている姿に不安や不満を感じ始める。
なんとなく、安心してビジネスに集中できなくなっている。

そんな環境の影響を受けず、よりハイパフォーマンスを発揮できるよう、自らのスペックを上げるべきなのか。
それだけでなく、安心して自分のパフォーマンスを発揮できる環境を整えることも必要なのか。

日本人は昔から、周りに合わせることを自然にできる人たちだ。
つい最近のコロナ禍。
「自粛要請」という、法的な強制力を持たない「お願い」ベースの出来事にも、みんなが状況に合わせて自発的に対応した。
その一方、それは「同調圧力」となり、周りの目を気にして、不本意ながら自分の行動に規制をかけたりもした。
(行きすぎて、自分のように同調しない人にネガティブな感情を持ち、彼らは「仲間」ではないと非難することもあった。)

「周りに合わせる」というのは、日本という風土で生きてきた人たちが、時間をかけて身につけた「生き方」のようなものなのだろう。
自然が豊かで四季の変化に恵まれた日本。
見方を変えれば、地震、火山活動、水害などの天災が多く、天候や気温も一年を通して大きく変化すると言える。

自然や天災は、人間が変えることのできない大きな力を持っている。この列島に暮らす人たちは、そんな大きな力との付き合い方に腐心してきた。
人の力の及ばない天災には「祈る」ことで、四季の変化のような自然には、それらを観察し、その特徴に「合わせる」ことで折り合いをつけてきた。

加えて、日本人は260年ものあいだ戦争がなかった江戸時代を経験している。
あの時代、飢饉などを除けば、基本的には社会は安定していた。
安定した社会では、人々は生活を成り立たせる「仕事」に精を出すことができた。
そのためか、生活以外のことは「お上に任せる」という心性が身についた。

何とかならなくなった時に、人々が行動を起こすこともあった(例えば「大塩平八郎の乱」とか)。
しかし、それは例外的な出来事で、多くの場合、自分の力や日常を超える出来事に対して、自分たちの力でそれを「変える」よりも、「受け入れる」ことで、日本人は折り合いをつけてきた。

自分の力を超える出来事には二種類がある。
一つは天災や四季のような自然に属する出来事だ。
もう一つは慣習、制度、法律など、人間が作った出来事だ。

人間の力を超えた天災や自然に属することには、「受け入れ、合わせる」ことだ大切だと思う(天災の原因に人間の活動が影響している場合はべつだ)。
最新のテクノロジーを使って自然を観察し、その法則をより深く理解する。
そして、損得勘定による短期的な利益追求の対象としてではなく、私たちが長期的に安定した生活を送れる環境として、ビジネスを通して関わっていくことが大切だ。

慣習、制度、法律などは少し違う。
それらは、ある時期、何らかの目的を達成するため人間が作ったものだ。だからこそ、変えることができるのだ。

「決まっているから」とか「自分の力を超えているから」という理由だけで盲目的に同調するのはよくない。

「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように、どのくらいのコストをかけて」作ったのか。それらを確認することが大切だ。
(基本のビジネスフレームワーク「6W2H」はこういう時にも有効だ。)

そられが現状に合っていないなら、現状に合わせて変えていくための思考や行動に繋げればよい。
世の中のニーズの変化に合わせて、新たな製品やサービスを作ることと同じだ。

世界が不安定になり、災害も増え、社会不安も広がり始めている。
そういう雰囲気を人々は感じ始めている。
ビジネスパーソンがパフォーマンスを発揮するための環境が蝕まれている。

さて、どうしよう。

ビジネスだけのことを考え、自己のスペックアップだけを考えていれば、パフォーマンスを発揮することができるのか。
それだけでなく、ビジネスを成立させる環境を整えるべく考え、行動することも必要なのか。

日々の成長への努力だけでなく、環境を整えることも求められる。
そんな時代がやってきたのかもしれない。

ビジネスパーソンはやはり大変なのだ。

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